RetrospectivaはRails製のオープンソースプロジェクト管理ツール。入手はhttp://retrospectiva.org/overviewから可能だ。 で、Retrospectivaはプラグインを利用して機能拡張することができ、Agileプロジェクト用の、AgilePMというプラグインが公開されていたので試してみた。
動作させた環境
- Lenovo S10e上のUbuntu9.10日本語版。
- ruby 1.8.7 (2009-06-12 patchlevel 174) [i486-linux]
- Rails 2.3.5
- sqlite3
インストール
Retrospectivaのインストールはかなり簡単。curlがインストールされていれば
curl http://github.com/dim/retrospectiva/raw/master/script/remote/retrospectiva_installer.rb | ruby
として指示に従えばOK。
AgilePMのインストールは、コマンドラインで以下のようにすればOK。
RAILS_ENV=production script/rxm install agile_pm
以上が終わったら以下のように起動する。3000番ポートで起動される。
/usr/bin/ruby script/server -e production
なお、初回ログインはadmin/passwordの組み合わせで管理者権限でログインできるので、ログイン後パスワードを変更する。
操作イメージ
- ログイン後はプロジェクトが存在しないので、管理メニューから新規プロジェクトを作成する。
- マイルストーンを作成する。

- メニューの「目標一覧」をクリックして、新しいスプリントを作成する
- スプリントの中で「新しい目標」をクリックすると、ユーザーストーリーを作成することができる

- 次にメニューの「ストーリー一覧」をクリックすると、一覧が表示される。ここで言っている「ストーリー」はScrumで言うところのタスクなので、ちょっと戸惑う。追加の際に、紐づく「目標」(=ユーザーストーリー)と見積もり時間を入力する。

- タスクの追加を全部済ませたら、後は一覧画面で毎日残存時間を更新していけば良い。画面遷移なく一覧の上で直接時間編集できるので分かりやすい

- タスクの残存時間の推移を見たければ「未処理」という項目をクリックすれば良い

またバーンダウンチャートは目標一覧の画面で見ることができる。

使用感と感想
操作性については分かりやすい。Ajax等を利用して比較的ストレスなく操作できる。 ただ、いくつかScrumを利用している僕個人にとっては致命的な問題があるような気がするので、以下に記しておく
- 日本語訳のせいかもしれないが、Scrumで言うストーリーが「目標」、タスクが「ストーリー」と書かれており混乱する
- 「目標」(=ストーリー)に相対見積もりの値をつけることが出来ない
- 「目標」(=ストーリー)に絶対的な優先順位をつけることが出来ない(必須、線形、魅力くらいはつけられる)
この問題があるが故に僕なら現場で使わないだろう。用語の混乱は現場の混乱に直結するし、相対見積もりが出来なければスプリント中に実装するストーリーを選択するのに別の管理方法を取らなければならなくなる。それであれば、基本に忠実なTeamTrickを使った方が良いと思う。