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ryuzeeによるブログ記事。不定期更新

私がアジャイルで嫌いな10のこと

みなさんこんにちは。@ryuzeeです。

10 Things I Hate About Agile Development!が良い記事なので、引用・意訳にてご紹介します。 アジャイルに関する誤解がよく分かると思いますので、くれぐれも真似しないようにしてください。

  1. ただデイリースタンドアップミーティングをやっているだけで、「アジャイルをやっている」と言うこと。 別にそれは「アジャイルをやっている」わけではない。 これ以外にアジャイルを実践するためにもっと大事なことがある
  2. 「アジャイル」の頭文字のAが大文字か小文字かを気にすること。 先頭を大文字で書いたらクールじゃないって言ってるのかな? 本当の意味での違いは、「アジャイルメソッド」と「アジャイルである」という違いなのだ。 多くの人はたぶんこの微妙な違いを分かっていない。 みんながこの大文字と小文字の違いでもめるようなことは、私にはしゃくに障るし、いわゆる「アジャイリスト」は、過度な宗教オタクのように聞こえてしまう
  3. アジャイルは銀の弾丸であなたの全ての問題を解決してくれると考えること。 もちろんそんなことは無い。人間とソフトウェアはいくつものメソトロジー(組織の複雑性は言うまでもなく)で複雑に絡み合っている。 アジャイルな開発は多くのことへの手助けにはなるだろう。 ただアジャイルは多くのスキルを必要とするし、魔法のボタンなんかはありはしない
  4. 明らかに「agile」でないあなた方に「Agile」であることを要求すること。 全ての主要なアジャイルプラクティスを実践してはいるけれど、でも柔軟性がなく、アジャイルの原則の根底にあることを理解していないように見える。 プラクティスはやっていたとしても、オープンであること、品質に気を配ること、コラボレーション、チームのマインドについての価値は実践してはいない
  5. アンチアジャイルだけれども、なぜそうなのか建設的なことを何も言わない人たち。 私はそんなの嫌いだ。 「アジャイルは怪しい薬だ」とか「アジャイルはいたずらだ」とかいうような「知性ある」(訳注:揶揄している)コメントがチームを感化したりしてしまったりする
  6. アジャイルを非難する-一度やってみたけど好きになれなかった-。 プロジェクトは難しい。プロジェクトは失敗する場合もあるし、それは例えアジャイルなプロジェクトマネジメント方法を利用していたとしてもだ。 前から言っている通り、アジャイルは銀の弾丸ではない。 失敗してしまったときにアジャイルを非難することが重要なのではない。プロセスを非難してはいけない
  7. アジャイルを言い訳-「それはできないよ、アジャイルではないから」「いいや、悪いけどそのようにはしないよ」-に使うこと。 事情に関わらず、たとえビジネスや顧客にとって本当に要求されていることと反対のことだとしても、アジャイルなプロセスに従うこと。 もしプロセスが他の何よりも重要だとしたら、それはアジャイルではない
  8. どのようにして、そしてなぜアジャイルが作用しているかを理解するための本当に十分な経験を積む前に、自分たちはアジャイルプロセスを導入するのに十分に賢いと考えてしまう人々。 それは陥りやすい罠だが、避けがたい罠なのだ
  9. 何もプロセスを持たない、もしくは何もドキュメントを作っていないことの言い訳にアジャイルを使う人。 もしドキュメントが要求されたり有効であれば、アジャイル開発チームがそれらを作らない理由がない。 単に前もって全部を作らないだけだ。 それぞれのフィーチャーかイテレーションをサポートするために必要に応じてやる、ということだ
  10. 私よりアジャイルな開発について知っている人。 これはうぬぼれなんだけど ;-)

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  • スクラム実践者が知るべき97のこと
  • 著者/訳者:Gunther Verheyen / 吉羽龍太郎 原田騎郎 永瀬美穂
  • 出版社:オライリージャパン(2021-03-23)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラムはアジャイル開発のフレームワークですが、その実装は組織やチームのレベルに応じてさまざまです。本書はスクラムの実践において、さまざまな課題に対処してきた実践者が自らの経験や考え方を語るエッセイ集です。日本語書き下ろしコラムを追加で10本収録
  • プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける
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  • みんなでアジャイル ―変化に対応できる顧客中心組織のつくりかた
  • 著者/訳者:Matt LeMay / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン(2020-3-19)
  • 定価:¥ 2,640
  • アジャイルで本当の意味での成果を出すには、開発チームだけでアジャイルに取り組むのではなく、組織全体がアジャイルになる必要があります。本書にはどうやってそれを実現するかのヒントが満載です
  • レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス
  • 著者/訳者:David Scott Bernstein / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン( 2019-9-18 )
  • 定価:¥ 3,132
  • レガシーコードになってから慌てるのではなく、日々レガシーコードを作らないようにするにはどうするか。その観点で、主にエクストリームプログラミングに由来する9つのプラクティスとその背後にある原則をわかりやすく説明しています。
  • Effective DevOps ―4本柱による持続可能な組織文化の育て方
  • 著者/訳者:Jennifer Davis、Ryn Daniels / 吉羽 龍太郎、長尾高弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2018-3-24 )
  • 定価:¥ 3,888
  • 主にDevOpsの文化的な事柄に着目し、異なるゴールを持つチームが親和性を高め、矛盾する目標のバランスを取りながら最大限の力を発揮する方法を解説します
  • ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント
  • 著者/訳者:リチャード・シェリダン / 原田騎郎, 安井力, 吉羽龍太郎, 永瀬美穂, 川口恭伸
  • 出版社:翔泳社( 2016-12-20 )
  • 定価:¥ 1,944
  • 米国で何度も働きやすい職場として表彰を受けているメンローの創業者かつCEOであるリチャード・シェリダン氏が、職場に喜びをもたらす知恵や経営手法、より良い製品の作り方などを惜しみなく紹介しています
  • アジャイルコーチの道具箱 – 見える化の実例集
  • 著者/訳者:Jimmy Janlén / 原田騎郎, 吉羽龍太郎, 川口恭伸, 高江洲睦, 佐藤竜也
  • 出版社:Leanpub( 2016-04-12 )
  • 定価:$14.99
  • この本は、チームの協調とコミュニケーションを改善したり、行動を変えるための見える化の実例を集めたものです。96個(+2)の見える化の方法をそれぞれ1ページでイラストとともに解説しています。アジャイル開発かどうかに関係なくすぐに使えるカタログ集です
  • カンバン仕事術 ―チームではじめる見える化と改善
  • 著者/訳者:原田騎郎 安井力 吉羽龍太郎 角征典 高木正弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2016-03-25 )
  • 定価:¥ 2,138
  • チームの仕事や課題を見える化する手法「カンバン」について、その導入から実践までを図とともにわかりやすく解説した書籍。カンバンの原則などの入門的な事柄から、サービスクラス、プロセスの改善など、一歩進んだ応用的な話題までを網羅的に解説します。
  • Software in 30 Days スクラムによるアジャイルな組織変革“成功"ガイド
  • 著者/訳者:Ken Schwaber、Jeff Sutherland著、角征典、吉羽龍太郎、原田騎郎、川口恭伸訳
  • 出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-03-08 )
  • 定価:¥ 1,680
  • スクラムの父であるジェフ・サザーランドとケン・シュエイバーによる著者の日本語版。ビジネス層、マネジメント層向けにソフトウェア開発プロセス変革の必要性やアジャイル型開発プロセスの優位性について説明
  • How to Change the World 〜チェンジ・マネジメント3.0〜
  • 著者/訳者:Jurgen Appelo, 前川哲次(翻訳), 川口恭伸(翻訳), 吉羽龍太郎(翻訳)
  • 出版社:達人出版会
  • 定価:500円
  • どうすれば自分たちの組織を変えられるだろう?それには、組織に変革を起こすチェンジ・マネジメントを学習することだ。アジャイルな組織でのマネージャーの役割を説いた『Management 3.0』の著者がコンパクトにまとめた変化のためのガイドブック