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ryuzeeによるブログ記事。不定期更新

こんなスクラムには気をつけろ!?

こんにちは。@ryuzeeです。

支援をしている際に、こういう兆候があったら注意して見る、というポイントがいくつかあるので共有します。 あくまで課題発見用のツールなので、マルバツ表を作ってどうこうする、という類のものでもないですし、そうすべきでもありません。 スクラムマスターの人、外部から支援する人は、自分用の確認ポイントを整理しておくと良いと思います。

なお、スクラムを実践すること自体は目的足り得ないので改めて言っておきます。

  • 全体
  • なんでもアジャイルでやろうとする
  • そもそもアジャイルを採用することが目的化している
  • プロジェクト初期にマイルストーンやスケジュールを決めていない
  • 十分にトレーニングを受けていない
  • 認定資格をとればそれで十分だと思っている
  • 全体の要件やアーキテクチャを考えずいきなりコードを書く
  • 予定できることなのに、「アジャイルだから」と予定しない
  • ドキュメントを書かない
  • 文化や考え方を変える必要があるのを理解しない
  • 形式にこだわりすぎる
  • 基本に従わずいきなり現状の制約にあわせて変形しようとする
  • 会社のルールを交渉なしに無視する
  • カイゼンしていない
  • 標準化に従うよう求められる
  • 権限が委譲されていない
  • スクラムチーム
  • いきなり分散型をやろうとする
  • チームのやり方を決めていない
  • チームのやり方を守らない人を放置している
  • そもそもチームに必要なスキルがない
  • 自分の立場を守ろうとして情報を隠す
  • 困っている人がいるのに助けない
  • チームのやり方がずっと同じ
  • 面倒くさそうな仕事がいつも後回しになる
  • スクラムマスター
  • スクラムマスターがタスクをアサインする
  • スクラムマスターがプロダクトオーナーの言いなり
  • スクラムマスターがチームに対する妨害を排除しない
  • スクラムマスターが忙しすぎる
  • スクラムマスターが遠い場所にいる
  • プロダクトオーナー
  • プロダクトオーナーがプロダクトに必要な知識を持っていない
  • プロダクトオーナーが忙しすぎて捕まらない
  • プロダクトオーナーがステークホルダーの言いなり
  • プロダクトオーナーがステークホルダーに会わない
  • プロダクトオーナーがステークホルダーの意見を想像する
  • スプリント
  • スプリントが外部から妨害される
  • スプリントレビューがない
  • ふりかえりがない
  • スプリントの長さが可変
  • スプリントの長さが足りないといって途中で長さを変える
  • スプリントレビューで動作するソフトウェアをレビューしていない
  • 同時にたくさんのプロダクトバックログアイテムに手をつける(のでスプリントの最後の方まで完了しているものがない。いつもギリギリ)
  • デイリースクラム
  • デイリースクラムがタイムボックスに収まっていない
  • デイリースクラムが同じ時間に行われていない
  • デイリースクラムを報告メールで代用する
  • デイリースクラムが単なる報告会になっている
  • ふりかえり
  • いつも同じ問題がでる
  • 取るべきアクションを決めるが結局誰もやらない
  • ふりかえりの場で個人を責める
  • プロダクトバックログ
  • そもそも固定スコープ
  • プロダクトバックログが大きすぎる
  • プロダクトバックログの受け入れ基準があいまい
  • スプリントに入ってから、そのプロダクトバックログがReadyじゃないと分かることが多い
  • プロダクトバックログのメンテナンスをしていない
  • プロダクトバックログの供給が間に合わない
  • 機能でなく、実装レイヤーで分割してしまう
  • 優先順位がついていない
  • プロダクトバックログがなぜかタスクのバックログになっている
  • 完成の定義
  • 完成の定義があいまい、または存在しない
  • 完成の定義を満たさないものを完了にしてしまう
  • 完成の定義を途中で下げる
  • 自動で検証できるものを手作業で検証する
  • 見積り
  • 毎回オーバーコミットして、それが守れない
  • 見積りが毎回はずれている
  • 外部からオーバーコミットを求められる
  • いつも残業してコミットメントを守ろうとする
  • 最初から残業をあてにしている
  • 進捗管理
  • フィーチャーではなく、行動がモニタリングされている
  • 他のプロジェクトやチームとベロシティを比較する
  • メトリクスが見えないところにおいてある
  • 外部への報告用に大量のメトリクスを要求される
  • コーディング
  • コードが特定の個人に紐付いている
  • テストを書いていない
  • テストで異常なカバレッジを求める
  • リファクタリングしていない
  • CIしていない
  • CIが落ちても気にしない

それでは。

アジャイルコーチングやトレーニングを提供しています

株式会社アトラクタでは、アジャイル開発に取り組むチーム向けのコーチングや、認定スクラムマスター研修などの各種トレーニングを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。

詳細はこちら
  • スクラム実践者が知るべき97のこと
  • 著者/訳者:Gunther Verheyen / 吉羽龍太郎 原田騎郎 永瀬美穂
  • 出版社:オライリージャパン(2021-03-23)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラムはアジャイル開発のフレームワークですが、その実装は組織やチームのレベルに応じてさまざまです。本書はスクラムの実践において、さまざまな課題に対処してきた実践者が自らの経験や考え方を語るエッセイ集です。日本語書き下ろしコラムを追加で10本収録
  • プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける
  • 著者/訳者:Melissa Perri / 吉羽龍太郎
  • 出版社:オライリージャパン(2020-10-26)
  • 定価:¥ 2,640
  • プロダクト開発を作った機能の数やベロシティなどのアウトプットで計測すると、ビルドトラップと呼ばれる失敗に繋がります。本書ではいかにしてビルドトラップを避けて顧客に価値を届けるかを解説しています。
  • SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 【増補改訂版】
  • 著者/訳者:西村直人 永瀬美穂 吉羽龍太郎
  • 出版社:翔泳社(2020-05-20)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラム初心者に向けて基本的な考え方の解説から始まり、プロジェクトでの実際の進め方やよく起こる問題への対応法まで幅広く解説。マンガと文章のセットでスクラムを短期間で理解できます。スクラムの概要を正しく理解したい人、もう一度おさらいしたい人にオススメ。
  • みんなでアジャイル ―変化に対応できる顧客中心組織のつくりかた
  • 著者/訳者:Matt LeMay / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン(2020-3-19)
  • 定価:¥ 2,640
  • アジャイルで本当の意味での成果を出すには、開発チームだけでアジャイルに取り組むのではなく、組織全体がアジャイルになる必要があります。本書にはどうやってそれを実現するかのヒントが満載です
  • レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス
  • 著者/訳者:David Scott Bernstein / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン( 2019-9-18 )
  • 定価:¥ 3,132
  • レガシーコードになってから慌てるのではなく、日々レガシーコードを作らないようにするにはどうするか。その観点で、主にエクストリームプログラミングに由来する9つのプラクティスとその背後にある原則をわかりやすく説明しています。
  • Effective DevOps ―4本柱による持続可能な組織文化の育て方
  • 著者/訳者:Jennifer Davis、Ryn Daniels / 吉羽 龍太郎、長尾高弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2018-3-24 )
  • 定価:¥ 3,888
  • 主にDevOpsの文化的な事柄に着目し、異なるゴールを持つチームが親和性を高め、矛盾する目標のバランスを取りながら最大限の力を発揮する方法を解説します
  • ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント
  • 著者/訳者:リチャード・シェリダン / 原田騎郎, 安井力, 吉羽龍太郎, 永瀬美穂, 川口恭伸
  • 出版社:翔泳社( 2016-12-20 )
  • 定価:¥ 1,944
  • 米国で何度も働きやすい職場として表彰を受けているメンローの創業者かつCEOであるリチャード・シェリダン氏が、職場に喜びをもたらす知恵や経営手法、より良い製品の作り方などを惜しみなく紹介しています
  • アジャイルコーチの道具箱 – 見える化の実例集
  • 著者/訳者:Jimmy Janlén / 原田騎郎, 吉羽龍太郎, 川口恭伸, 高江洲睦, 佐藤竜也
  • 出版社:Leanpub( 2016-04-12 )
  • 定価:$14.99
  • この本は、チームの協調とコミュニケーションを改善したり、行動を変えるための見える化の実例を集めたものです。96個(+2)の見える化の方法をそれぞれ1ページでイラストとともに解説しています。アジャイル開発かどうかに関係なくすぐに使えるカタログ集です
  • カンバン仕事術 ―チームではじめる見える化と改善
  • 著者/訳者:原田騎郎 安井力 吉羽龍太郎 角征典 高木正弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2016-03-25 )
  • 定価:¥ 2,138
  • チームの仕事や課題を見える化する手法「カンバン」について、その導入から実践までを図とともにわかりやすく解説した書籍。カンバンの原則などの入門的な事柄から、サービスクラス、プロセスの改善など、一歩進んだ応用的な話題までを網羅的に解説します。
  • Software in 30 Days スクラムによるアジャイルな組織変革“成功"ガイド
  • 著者/訳者:Ken Schwaber、Jeff Sutherland著、角征典、吉羽龍太郎、原田騎郎、川口恭伸訳
  • 出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-03-08 )
  • 定価:¥ 1,680
  • スクラムの父であるジェフ・サザーランドとケン・シュエイバーによる著者の日本語版。ビジネス層、マネジメント層向けにソフトウェア開発プロセス変革の必要性やアジャイル型開発プロセスの優位性について説明
  • How to Change the World 〜チェンジ・マネジメント3.0〜
  • 著者/訳者:Jurgen Appelo, 前川哲次(翻訳), 川口恭伸(翻訳), 吉羽龍太郎(翻訳)
  • 出版社:達人出版会
  • 定価:500円
  • どうすれば自分たちの組織を変えられるだろう?それには、組織に変革を起こすチェンジ・マネジメントを学習することだ。アジャイルな組織でのマネージャーの役割を説いた『Management 3.0』の著者がコンパクトにまとめた変化のためのガイドブック