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ryuzeeによるブログ記事。不定期更新

デブサミでITSに関するセッションに登壇しました

ということで、2/17,18に行われたデブサミ2011で、「チケット管理システム大決戦 JIRA vs Redmine vs Trac ユーザーが語る、なぜ私はこのツールを使うのか」というセッションにパネリストとして登壇してきました。 たくさんの方にお越しいただきありがとうございました。 資料は既にアトラシアンの大澤さんがSlideshareにアップされています。以下に埋めて置きますのでご覧ください。

で、タイトルの「大決戦」ですが、45分の限られたセッションであんまり各製品間の大決戦にはなってなくて、実はExcelとの大決戦という感じになってました。 自分が話をした内容については、あえて製品間の大決戦にしないように話した部分もありますので、ちょっと以下で補足と私の真意を記載しておきます。

  • どのITSを使うのが良いのか?という一般的な質問は、実は答えられない質問。なぜなら利用目的やプロジェクトの種別や体制、社内の規則等のコンテキストが違うから
  • 絶対的に言えることは、今現場で抱えている問題は「ツールを入れるだけでは解決しない」ということ。有償なツールも無償なツールも使っていない人から見れば魅力的な機能が一杯ある。でもそれはWordにたくさんの機能が付いているのと同じこと。全部の機能を必ず使わなきゃいけないわけでもない
  • 大事なことはツールを使う目的をはっきりさせること。この点についてはアジャイルな開発プロセスの導入も同じ。目的がないのに方法やツールを語っても仕方ない。ツールはアジリティを加速させるだけ
  • で、使い始めたら目移りせず、「使いこなす」こと。使うのはチームだったり部門だったり全社だったり範囲が異なるかもしれないけど、使い方も改善していかないといけない。誰かが使い方を教えてくれるはず、ではなくて使っているメンバー自身が使い方を改善していくこと
  • JIRAもRedmineもTracも、それからMicrosoft Team Foundation ServerもRational Team Concertも良いツールだと思う。みんなプロダクト自体はドッグフィーディングしているし、それぞれの特徴もある。個々の機能だけ見て、あっちが良い・こっちが良いとかいう議論は「viとemacどっちが良いの?」って話と同じ
  • もちろんそれぞれのツールには特徴があるので、どれを選択するのか?という点については「何が目的なのか?」「満たさなければいけない条件は何か?」を明らかにしたうえで、個別に判断していただく必要がある
  • 例えば鈴木さんが言ってたけど、証跡やワークフローの制御等のエンタープライズ対応が必須なら、それは選定のための制約条件になる。
  • 以前アジャイルコーチのLaszloさんの話をお聞きした際も言ってたけど、選定のためには、要求事項の優先順位を決めてスコアシートを作ると良い。顧客のシステムを構築するときに製品の評価シート作るのと同じこと。
  • ただしツールが要求事項の全てを満たすことを求めないこと。日本だと多くの場合、ツールにあれもこれも機能を求めるけど、実際に利用する機能はもっと少ない。ある分析によればシステムの全機能のうち実際に使うのは30%程度くらいということだ
  • ツールの良し悪しより、まず自分のところの開発プロセスの良し悪しを意識して欲しいと思ったりもする。もちろん両方意識できていれば良し

アジャイルコーチングやトレーニングを提供しています

株式会社アトラクタでは、アジャイル開発に取り組むチーム向けのコーチングや、認定スクラムマスター研修などの各種トレーニングを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。

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  • スクラム実践者が知るべき97のこと
  • 著者/訳者:Gunther Verheyen / 吉羽龍太郎 原田騎郎 永瀬美穂
  • 出版社:オライリージャパン(2021-03-23)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラムはアジャイル開発のフレームワークですが、その実装は組織やチームのレベルに応じてさまざまです。本書はスクラムの実践において、さまざまな課題に対処してきた実践者が自らの経験や考え方を語るエッセイ集です。日本語書き下ろしコラムを追加で10本収録
  • プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける
  • 著者/訳者:Melissa Perri / 吉羽龍太郎
  • 出版社:オライリージャパン(2020-10-26)
  • 定価:¥ 2,640
  • プロダクト開発を作った機能の数やベロシティなどのアウトプットで計測すると、ビルドトラップと呼ばれる失敗に繋がります。本書ではいかにしてビルドトラップを避けて顧客に価値を届けるかを解説しています。
  • SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 【増補改訂版】
  • 著者/訳者:西村直人 永瀬美穂 吉羽龍太郎
  • 出版社:翔泳社(2020-05-20)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラム初心者に向けて基本的な考え方の解説から始まり、プロジェクトでの実際の進め方やよく起こる問題への対応法まで幅広く解説。マンガと文章のセットでスクラムを短期間で理解できます。スクラムの概要を正しく理解したい人、もう一度おさらいしたい人にオススメ。
  • みんなでアジャイル ―変化に対応できる顧客中心組織のつくりかた
  • 著者/訳者:Matt LeMay / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン(2020-3-19)
  • 定価:¥ 2,640
  • アジャイルで本当の意味での成果を出すには、開発チームだけでアジャイルに取り組むのではなく、組織全体がアジャイルになる必要があります。本書にはどうやってそれを実現するかのヒントが満載です
  • レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス
  • 著者/訳者:David Scott Bernstein / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン( 2019-9-18 )
  • 定価:¥ 3,132
  • レガシーコードになってから慌てるのではなく、日々レガシーコードを作らないようにするにはどうするか。その観点で、主にエクストリームプログラミングに由来する9つのプラクティスとその背後にある原則をわかりやすく説明しています。
  • Effective DevOps ―4本柱による持続可能な組織文化の育て方
  • 著者/訳者:Jennifer Davis、Ryn Daniels / 吉羽 龍太郎、長尾高弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2018-3-24 )
  • 定価:¥ 3,888
  • 主にDevOpsの文化的な事柄に着目し、異なるゴールを持つチームが親和性を高め、矛盾する目標のバランスを取りながら最大限の力を発揮する方法を解説します
  • ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント
  • 著者/訳者:リチャード・シェリダン / 原田騎郎, 安井力, 吉羽龍太郎, 永瀬美穂, 川口恭伸
  • 出版社:翔泳社( 2016-12-20 )
  • 定価:¥ 1,944
  • 米国で何度も働きやすい職場として表彰を受けているメンローの創業者かつCEOであるリチャード・シェリダン氏が、職場に喜びをもたらす知恵や経営手法、より良い製品の作り方などを惜しみなく紹介しています
  • アジャイルコーチの道具箱 – 見える化の実例集
  • 著者/訳者:Jimmy Janlén / 原田騎郎, 吉羽龍太郎, 川口恭伸, 高江洲睦, 佐藤竜也
  • 出版社:Leanpub( 2016-04-12 )
  • 定価:$14.99
  • この本は、チームの協調とコミュニケーションを改善したり、行動を変えるための見える化の実例を集めたものです。96個(+2)の見える化の方法をそれぞれ1ページでイラストとともに解説しています。アジャイル開発かどうかに関係なくすぐに使えるカタログ集です
  • カンバン仕事術 ―チームではじめる見える化と改善
  • 著者/訳者:原田騎郎 安井力 吉羽龍太郎 角征典 高木正弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2016-03-25 )
  • 定価:¥ 2,138
  • チームの仕事や課題を見える化する手法「カンバン」について、その導入から実践までを図とともにわかりやすく解説した書籍。カンバンの原則などの入門的な事柄から、サービスクラス、プロセスの改善など、一歩進んだ応用的な話題までを網羅的に解説します。
  • Software in 30 Days スクラムによるアジャイルな組織変革“成功"ガイド
  • 著者/訳者:Ken Schwaber、Jeff Sutherland著、角征典、吉羽龍太郎、原田騎郎、川口恭伸訳
  • 出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-03-08 )
  • 定価:¥ 1,680
  • スクラムの父であるジェフ・サザーランドとケン・シュエイバーによる著者の日本語版。ビジネス層、マネジメント層向けにソフトウェア開発プロセス変革の必要性やアジャイル型開発プロセスの優位性について説明
  • How to Change the World 〜チェンジ・マネジメント3.0〜
  • 著者/訳者:Jurgen Appelo, 前川哲次(翻訳), 川口恭伸(翻訳), 吉羽龍太郎(翻訳)
  • 出版社:達人出版会
  • 定価:500円
  • どうすれば自分たちの組織を変えられるだろう?それには、組織に変革を起こすチェンジ・マネジメントを学習することだ。アジャイルな組織でのマネージャーの役割を説いた『Management 3.0』の著者がコンパクトにまとめた変化のためのガイドブック