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ryuzeeによるブログ記事。不定期更新

【発売のお知らせ】アジャイルコーチの道具箱 - 見える化の実例集

こんにちは。@ryuzeeです。

既にご存知の方も多いと思いますが、昨日4月13日に新刊の「アジャイルコーチの道具箱 - 見える化の実例集」(Jimmy Janlén著、原田騎郎・吉羽龍太郎・川口恭伸・高江洲睦・佐藤竜也訳)が発売になりましたのでお知らせです。なお、こちらの書籍はLeanpubでの電子書籍(PDF)形式のみでの販売です。

本書の内容と特徴は以下のとおりです。

  • 本書は、仕事の見える化を進める際に役立つ方法を図と説明つきで96パターン紹介する書籍です。全体で124ページで、各パターンを1ページあたり1つずつ紹介しています。通読するというよりはパラパラと見ながら気になるパターンを探すとよいと思います
  • 「見えないものは改善できない」というのがカンバンなどの見える化に共通する基本的な考えです。そして見えるようにした後の課題として、どうやってもっと分かりやすくするか、どうやって毎日維持するように定着させるか、という点が出てきます。ちゃんと取り組んでいくとどんどんボードの形は変化していくので、その時のネタになるでしょう
  • 見える化はソフトウェア開発に限った話ではなく、どんな仕事でも使える技術です。タイトルにアジャイルコーチの道具箱、とありますが、非エンジニアの方でも使えます
  • 原著者のJimmy Janlenは、Henrik Kniberg(「塹壕よりスクラムとXP」、「リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営」の著者でSpotifyのアジャイル導入を支援しているコンサルタント)も所属するCrispのアジャイルコーチ。本書の見える化の実例もCrispでの多くの事例が反映されています
  • より詳細にカンバンや見える化の仕掛けや概念を知りたい場合は、カンバン仕事術 - チームではじめる見える化と改善をあわせて参照すると良いでしょう

本書で説明している見える化の方法

本書で説明している見える化の方法を以下に記載しておきます。内容は本を読んでのお楽しみ。

  • 共通のアドバイス
  • ワークフローを見える化しよう
  • コツ
  • ポリシーを見える化しよう
  • アバター
  • 凡例
  • インボックス
  • 大小2つのアバター
  • デモまで何日
  • 自信のニコニコマーク
  • 自信のニコニコマーク(続き)
  • レーンの優先順位
  • 進めないよメモ
  • 依存性のクモ
  • ドット付け
  • 欠勤カレンダー
  • 浪費した日数
  • 期日とチェックボックス
  • 疑問アイコン
  • 緊急レーンとポリシー
  • 爆弾アイコン
  • パーキングロット
  • 成果ポスター
  • カイゼンボード
  • 帽子つきメンバーカタログ
  • チームの習慣
  • ファシリテーターの帽子をまわす
  • 割り込みバケツ
  • デイリースタンドアップタイマー
  • 時間どおりのスタンドアップ + ハイスコア
  • 状態つきパーキングロット
  • 進捗円グラフ
  • 床の上の境界線
  • 二次会
  • チームのリズム/サイクル
  • 改善レーン
  • 今日のヘッドライン
  • 遅刻はケーキ
  • タスクサイズは1日以下
  • タスクには結果を書く
  • ポータブルボード
  • フローグラス
  • 賞賛の壁
  • タスクプログレスバー
  • 今日のすごい人サイコロ
  • ストーリーポイント定規
  • ごほうびビン
  • リリースクレジット
  • タスク見積りボックス
  • WIPの制限
  • スキルごとの色分け
  • 個人用パーキングロット
  • ペアプロマトリクス
  • デイリースタンドアップのルーティン
  • 一時停止アイコン
  • ストレスレベルのメーター
  • 改善のテーマ
  • テストサーバのアイコンと情報
  • デモの準備
  • チームのムードメーター
  • ニュースレター
  • 不在表
  • 探索的テストの車輪
  • 付箋紙入れの封筒
  • スペースで制限
  • ふりかえり用の郵便受け
  • スプリント情報
  • レビューのキュー
  • チームの在席時間
  • 備品置き場
  • 失敗ボード
  • ピラミッドバックログ
  • チューブ投票
  • ペアリングマップ
  • チームのタイムゾーン時計
  • アクティビティ・サイコロ
  • レース場
  • 完成のチェック用紙
  • 内部キューの見える化
  • 今日のスゴ技
  • サーバントマネージャーのドア
  • 砂時計型スクラムボード
  • ラバランプ
  • 到着と出発のタイムライン
  • 私の学びたいこと
  • ユーザーストーリーの色分け凡例
  • ガラス壁に色をつける
  • コンセプトキューブ
  • 今日のゴール
  • ペルソナごとのオポチュニティ
  • 投資時間
  • リリーストレイン時刻表
  • 案内板
  • デイリーチェックイン
  • クリスマスツリー
  • 規律の記録
  • 依存ボード
  • おまけ: Post-it のめくり方

どうやって翻訳を進めたのか

ここから先は余談ですが、いつもどおり、GitHub上で、マークダウンを使って翻訳を進めています。以下がその様子です。 おおよその翻訳は最初の2日で集中的に実施し、その上で2か月ちかく日本語面での見直しや言い回しの改善に時間を使っています。

表記揺れなどの検出やマークダウンからのファイル生成は自動化してあるため、翻訳者は翻訳作業に集中できるようになっています(これはどの書籍でもだいたい同じようなやり方をしています)。

なお本日時点でコミット回数が624回、GitHubのIssueの数が290個(もちろんCloseしたものを含む)という感じでした。

ということで…

カンバン仕事術ともどもお楽しみいただき、ぜひ感想などをお寄せいただければ幸いです。

アジャイルコーチングやトレーニングを提供しています

株式会社アトラクタでは、アジャイル開発に取り組むチーム向けのコーチングや、認定スクラムマスター研修などの各種トレーニングを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。

詳細はこちら
  • スクラム実践者が知るべき97のこと
  • 著者/訳者:Gunther Verheyen / 吉羽龍太郎 原田騎郎 永瀬美穂
  • 出版社:オライリージャパン(2021-03-23)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラムはアジャイル開発のフレームワークですが、その実装は組織やチームのレベルに応じてさまざまです。本書はスクラムの実践において、さまざまな課題に対処してきた実践者が自らの経験や考え方を語るエッセイ集です。日本語書き下ろしコラムを追加で10本収録
  • プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける
  • 著者/訳者:Melissa Perri / 吉羽龍太郎
  • 出版社:オライリージャパン(2020-10-26)
  • 定価:¥ 2,640
  • プロダクト開発を作った機能の数やベロシティなどのアウトプットで計測すると、ビルドトラップと呼ばれる失敗に繋がります。本書ではいかにしてビルドトラップを避けて顧客に価値を届けるかを解説しています。
  • SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 【増補改訂版】
  • 著者/訳者:西村直人 永瀬美穂 吉羽龍太郎
  • 出版社:翔泳社(2020-05-20)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラム初心者に向けて基本的な考え方の解説から始まり、プロジェクトでの実際の進め方やよく起こる問題への対応法まで幅広く解説。マンガと文章のセットでスクラムを短期間で理解できます。スクラムの概要を正しく理解したい人、もう一度おさらいしたい人にオススメ。
  • みんなでアジャイル ―変化に対応できる顧客中心組織のつくりかた
  • 著者/訳者:Matt LeMay / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン(2020-3-19)
  • 定価:¥ 2,640
  • アジャイルで本当の意味での成果を出すには、開発チームだけでアジャイルに取り組むのではなく、組織全体がアジャイルになる必要があります。本書にはどうやってそれを実現するかのヒントが満載です
  • レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス
  • 著者/訳者:David Scott Bernstein / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン( 2019-9-18 )
  • 定価:¥ 3,132
  • レガシーコードになってから慌てるのではなく、日々レガシーコードを作らないようにするにはどうするか。その観点で、主にエクストリームプログラミングに由来する9つのプラクティスとその背後にある原則をわかりやすく説明しています。
  • Effective DevOps ―4本柱による持続可能な組織文化の育て方
  • 著者/訳者:Jennifer Davis、Ryn Daniels / 吉羽 龍太郎、長尾高弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2018-3-24 )
  • 定価:¥ 3,888
  • 主にDevOpsの文化的な事柄に着目し、異なるゴールを持つチームが親和性を高め、矛盾する目標のバランスを取りながら最大限の力を発揮する方法を解説します
  • ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント
  • 著者/訳者:リチャード・シェリダン / 原田騎郎, 安井力, 吉羽龍太郎, 永瀬美穂, 川口恭伸
  • 出版社:翔泳社( 2016-12-20 )
  • 定価:¥ 1,944
  • 米国で何度も働きやすい職場として表彰を受けているメンローの創業者かつCEOであるリチャード・シェリダン氏が、職場に喜びをもたらす知恵や経営手法、より良い製品の作り方などを惜しみなく紹介しています
  • アジャイルコーチの道具箱 – 見える化の実例集
  • 著者/訳者:Jimmy Janlén / 原田騎郎, 吉羽龍太郎, 川口恭伸, 高江洲睦, 佐藤竜也
  • 出版社:Leanpub( 2016-04-12 )
  • 定価:$14.99
  • この本は、チームの協調とコミュニケーションを改善したり、行動を変えるための見える化の実例を集めたものです。96個(+2)の見える化の方法をそれぞれ1ページでイラストとともに解説しています。アジャイル開発かどうかに関係なくすぐに使えるカタログ集です
  • カンバン仕事術 ―チームではじめる見える化と改善
  • 著者/訳者:原田騎郎 安井力 吉羽龍太郎 角征典 高木正弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2016-03-25 )
  • 定価:¥ 2,138
  • チームの仕事や課題を見える化する手法「カンバン」について、その導入から実践までを図とともにわかりやすく解説した書籍。カンバンの原則などの入門的な事柄から、サービスクラス、プロセスの改善など、一歩進んだ応用的な話題までを網羅的に解説します。
  • Software in 30 Days スクラムによるアジャイルな組織変革“成功"ガイド
  • 著者/訳者:Ken Schwaber、Jeff Sutherland著、角征典、吉羽龍太郎、原田騎郎、川口恭伸訳
  • 出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-03-08 )
  • 定価:¥ 1,680
  • スクラムの父であるジェフ・サザーランドとケン・シュエイバーによる著者の日本語版。ビジネス層、マネジメント層向けにソフトウェア開発プロセス変革の必要性やアジャイル型開発プロセスの優位性について説明
  • How to Change the World 〜チェンジ・マネジメント3.0〜
  • 著者/訳者:Jurgen Appelo, 前川哲次(翻訳), 川口恭伸(翻訳), 吉羽龍太郎(翻訳)
  • 出版社:達人出版会
  • 定価:500円
  • どうすれば自分たちの組織を変えられるだろう?それには、組織に変革を起こすチェンジ・マネジメントを学習することだ。アジャイルな組織でのマネージャーの役割を説いた『Management 3.0』の著者がコンパクトにまとめた変化のためのガイドブック