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【新刊発売のお知らせ】業務システム クラウド移行の定石

みなさんこんにちは。@ryuzeeです。

このたび、2018年7月12日に日経BP社より『業務システム クラウド移行の定石』という書籍が発売になりますのでお知らせします。


  • 出版社: 日経BP社 (2018/7/12)
  • 吉羽龍太郎(著)
  • 価格: 3,456円
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4822256448
  • ISBN-13: 978-4822256449
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本書は2017年に日経クラウドファーストで連載した同名記事に加筆修正をしたもので、これからクラウドに業務システムを移行しようと考えている企業がどのようにクラウド移行を進めていくかの流れを解説したものになります。

既にさまざまなシステムをクラウド上で動かしていたり、息を吸うようにCLIで仮想マシンを構築していたり、CloudFormationやARM Templateをリファレンスなしでサクサク書けたり、クラウドネイティブうぇーいな人向けの書籍ではありません。

技術的な詳細は良書がたくさんあるので、それにはあまり触れていません。 あくまで、どのようにクラウド移行計画を立てて、どう進めていくのか、という点にフォーカスしています。 分量は170ページほどでコンパクトにしたつもりですので、まずは全体の流れを掴みたい情報システム部門の方や、顧客にクラウド移行の提案をするベンダーSEの方に向いているかと思います。 なお、内容自体はAWSでもAzureでもどちらでも適用できるようになっています。

本書で伝えたかったことで特に大きいのは、業務システムのクラウド移行を過度な事前計画型のプロセスで進めないという点です。 クラウド自体の進化や変化が早く、業務システムのクラウド移行自体も初めての経験であれば、そもそも見積り精度も高くなりようがありません。 完璧な計画をたてようとしても絵に書いた餅ですし、その計画通りに進むこともありません。

目的を明確にして目標を定め、それらを短いタイムボックスの中で実現できるように、常時計画を見直しながら優先順位をつけて進めていく必要があります。 言い換えれば、アジャイルなやり方で業務システムのクラウド移行を進めていくとも言えます。

目次は以下のようになっていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

それでは。

第1章 企画

  • 1.1 クラウドの特性の理解
  • 1.2 クラウドの試用
  • 1.3 移行目的の明確化
  • 1.4 現状把握と目標設定
  • 1.5 検討内容の評価
  • 1.6 体制構築と進め方の計画

第2章 戦略・分析

  • 2.1 システム情報の収集と整理
  • 2.2 インフラ情報の収集と整理
  • 2.3 クラウドで達成する要件の整理
  • 2.4 クラウドベンダーの評価と選定
  • 2.5 移行対象の整理
  • 2.6 移行コストの整理
  • 2.7 移行順序の決定

第3章 PoC(実証実験)

  • 3.1 PoCの目的の明確化
  • 3.2 PoCの内容や範囲の決定
  • 3.3 PoC結果のレビューと整理

第4章 設計・移行

  • 4.1 全体に影響のある箇所の設計
  • 4.2 サービスレベルに応じたアーキテクチャーの類型化
  • 4.3 移行

第5章 運用と改善

  • 5.1 定期的なデータ収集と分析
  • 5.2 運用管理の改善と最適化
  • 5.3 コスト最適化
  • 5.4 アーキテクチャーの最適化
  • 5.5 効果測定と移行計画の見直し

Appendix

  • A.1 移行プロジェクトの全タスク
  • A.2 移行プロジェクトのドキュメント

アジャイルコーチングやトレーニングを提供しています

株式会社アトラクタでは、アジャイル開発に取り組むチーム向けのコーチングや、認定スクラムマスター研修などの各種トレーニングを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。

詳細はこちら
  • スクラム実践者が知るべき97のこと
  • 著者/訳者:Gunther Verheyen / 吉羽龍太郎 原田騎郎 永瀬美穂
  • 出版社:オライリージャパン(2021-03-23)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラムはアジャイル開発のフレームワークですが、その実装は組織やチームのレベルに応じてさまざまです。本書はスクラムの実践において、さまざまな課題に対処してきた実践者が自らの経験や考え方を語るエッセイ集です。日本語書き下ろしコラムを追加で10本収録
  • プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける
  • 著者/訳者:Melissa Perri / 吉羽龍太郎
  • 出版社:オライリージャパン(2020-10-26)
  • 定価:¥ 2,640
  • プロダクト開発を作った機能の数やベロシティなどのアウトプットで計測すると、ビルドトラップと呼ばれる失敗に繋がります。本書ではいかにしてビルドトラップを避けて顧客に価値を届けるかを解説しています。
  • SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 【増補改訂版】
  • 著者/訳者:西村直人 永瀬美穂 吉羽龍太郎
  • 出版社:翔泳社(2020-05-20)
  • 定価:¥ 2,640
  • スクラム初心者に向けて基本的な考え方の解説から始まり、プロジェクトでの実際の進め方やよく起こる問題への対応法まで幅広く解説。マンガと文章のセットでスクラムを短期間で理解できます。スクラムの概要を正しく理解したい人、もう一度おさらいしたい人にオススメ。
  • みんなでアジャイル ―変化に対応できる顧客中心組織のつくりかた
  • 著者/訳者:Matt LeMay / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン(2020-3-19)
  • 定価:¥ 2,640
  • アジャイルで本当の意味での成果を出すには、開発チームだけでアジャイルに取り組むのではなく、組織全体がアジャイルになる必要があります。本書にはどうやってそれを実現するかのヒントが満載です
  • レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス
  • 著者/訳者:David Scott Bernstein / 吉羽龍太郎、永瀬美穂、原田騎郎、有野雅士
  • 出版社:オライリージャパン( 2019-9-18 )
  • 定価:¥ 3,132
  • レガシーコードになってから慌てるのではなく、日々レガシーコードを作らないようにするにはどうするか。その観点で、主にエクストリームプログラミングに由来する9つのプラクティスとその背後にある原則をわかりやすく説明しています。
  • Effective DevOps ―4本柱による持続可能な組織文化の育て方
  • 著者/訳者:Jennifer Davis、Ryn Daniels / 吉羽 龍太郎、長尾高弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2018-3-24 )
  • 定価:¥ 3,888
  • 主にDevOpsの文化的な事柄に着目し、異なるゴールを持つチームが親和性を高め、矛盾する目標のバランスを取りながら最大限の力を発揮する方法を解説します
  • ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント
  • 著者/訳者:リチャード・シェリダン / 原田騎郎, 安井力, 吉羽龍太郎, 永瀬美穂, 川口恭伸
  • 出版社:翔泳社( 2016-12-20 )
  • 定価:¥ 1,944
  • 米国で何度も働きやすい職場として表彰を受けているメンローの創業者かつCEOであるリチャード・シェリダン氏が、職場に喜びをもたらす知恵や経営手法、より良い製品の作り方などを惜しみなく紹介しています
  • アジャイルコーチの道具箱 – 見える化の実例集
  • 著者/訳者:Jimmy Janlén / 原田騎郎, 吉羽龍太郎, 川口恭伸, 高江洲睦, 佐藤竜也
  • 出版社:Leanpub( 2016-04-12 )
  • 定価:$14.99
  • この本は、チームの協調とコミュニケーションを改善したり、行動を変えるための見える化の実例を集めたものです。96個(+2)の見える化の方法をそれぞれ1ページでイラストとともに解説しています。アジャイル開発かどうかに関係なくすぐに使えるカタログ集です
  • カンバン仕事術 ―チームではじめる見える化と改善
  • 著者/訳者:原田騎郎 安井力 吉羽龍太郎 角征典 高木正弘
  • 出版社:オライリージャパン( 2016-03-25 )
  • 定価:¥ 2,138
  • チームの仕事や課題を見える化する手法「カンバン」について、その導入から実践までを図とともにわかりやすく解説した書籍。カンバンの原則などの入門的な事柄から、サービスクラス、プロセスの改善など、一歩進んだ応用的な話題までを網羅的に解説します。
  • Software in 30 Days スクラムによるアジャイルな組織変革“成功"ガイド
  • 著者/訳者:Ken Schwaber、Jeff Sutherland著、角征典、吉羽龍太郎、原田騎郎、川口恭伸訳
  • 出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-03-08 )
  • 定価:¥ 1,680
  • スクラムの父であるジェフ・サザーランドとケン・シュエイバーによる著者の日本語版。ビジネス層、マネジメント層向けにソフトウェア開発プロセス変革の必要性やアジャイル型開発プロセスの優位性について説明
  • How to Change the World 〜チェンジ・マネジメント3.0〜
  • 著者/訳者:Jurgen Appelo, 前川哲次(翻訳), 川口恭伸(翻訳), 吉羽龍太郎(翻訳)
  • 出版社:達人出版会
  • 定価:500円
  • どうすれば自分たちの組織を変えられるだろう?それには、組織に変革を起こすチェンジ・マネジメントを学習することだ。アジャイルな組織でのマネージャーの役割を説いた『Management 3.0』の著者がコンパクトにまとめた変化のためのガイドブック