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【新刊】『Aligned ―プロダクト開発におけるステークホルダーとの関係性の築き方』発売のお知らせ

みなさんこんにちは。@ryuzeeです。

2026年3月4日に新刊の訳書『Aligned ―プロダクト開発におけるステークホルダーとの関係性の築き方』がオライリー・ジャパンから発売になります。

プロダクトマネジメントにおいて非常に重要な要素の1つである「ステークホルダー」の扱いにフォーカスした書籍です。 Helthexという会社にプロダクトマネージャーとして転職してきたアイリーという主人公が、組織のなかで奮闘するストーリーを通じて、ステークホルダーとのつきあい方、関係性の作り方を解説していくという構成になっています。 フルカラー、図表も豊富で、読んで楽しい本なのではないかと思います。

なお、翻訳はいつものように、株式会社アトラクタの同僚である原田さんと永瀬さんと一緒に行いました。

オライリー・ジャパン様のご厚意で、訳者あとがきの転載許可をいただいたので紹介します。 どんな書籍なのかイメージがつきやすいかと思います。

本書は、Bruce McCarthy、Melissa Appel 著『Aligned: Stakeholder Management for Product Leaders』(978-1098134426、OʼReilly Media、2024年)の全訳です。原著の誤記や誤植などについては確認して一部修正しています。

プロダクト開発において、私たちは常に「人」と向き合っています。どれだけ優れたアイデアや技術があっても、それを形にし、価値に変えていくには、多くの関係者と理解を共有しながら進める必要があります。にもかかわらず、「人との関係」がうまくいかずに、前に進めなかったり、成果を最大化できなかったりする例は枚挙に暇がありません。

本書『Aligned』が扱っているのは、まさにその「人との関係」、つまりステークホルダーとの関係性をどう築き、どう維持し、どう乗り越えるかという点です。そしてそれは、プロダクト開発に関わるすべての人にとって避けて通れないテーマだと言えます。

プロダクトには、プロダクトマネージャー、開発者、デザイナー、営業、カスタマーサポート、経営層など、実にさまざまな人たちが関わっています。それぞれ、立場や期待、評価軸はバラバラで、相反することもあります(むしろ相反していることのほうが多いかもしれません)。これらの違いを無視したままプロダクトの開発を進めると、思わぬ衝突や行き詰まりに直面することになります。

私たちはアジャイルコーチとして多くの現場に関わってきましたが、チーム内部の課題以上に、チームの外との関係性、すなわちステークホルダーとの調整や期待値の管理に悩む声を多く聞いてきました。十分な説明や対話もなく、リクエストが「指示」として降ってくる(メテオフォールなんて言ったりしますね)。その指示の背景がわからず、振り回されている感覚だけが募る。気づけばプロダクトマネージャーもチームも疲弊していく。それでもプロダクトがうまくいっていれば少しは報われますが、そうでもない。そんな状態が、実はあちこちで起きています。

そのような状況が長く続くと、「フィーチャーファクトリー(機能工場)」と呼ばれる状態に陥りやすくなります。これは、プロダクトマネジメントの専門家ジョン・カトラーが提唱した概念で、「言われた機能をただ作ること」に終始し、「なぜ作るのか」や「どんな成果を目指すのか」といった本質的な問いが置き去りにされた状態を指します。

フィーチャーファクトリーに陥ったチームでは、「とにかく出す」「数をこなす」「早く終わらせる」といった指標ばかりが重視され、本当の意味で顧客やユーザー、ビジネスに貢献できているかをふりかえる余裕がありません。アウトカムよりアウトプット、学習よりスピード。こうした文化では、チームが「仕様をもらって実装するだけの存在」に矮小化され、プロダクトを育てる主体性を失ってしまいます。

これは、プロダクトに関わる全員にとって不幸な状態です。ステークホルダーもまた、自分の声が届かない、自分の目的が共有されないと感じて苛立ち、関係はさらにぎくしゃくしていきます。

では、どうすればこの悪循環を断ち切れるのでしょうか。

本書は、フィーチャーファクトリーのような状態から抜け出し、ステークホルダーと良い関係を築くための「実践の書」です。ただ仲良くしようとか、言いなりになろうという話ではありません。むしろ、どこで「ノー」と言うか、どう伝えるか、どのように共通の目的を見つけるかといった、現場で本当に困っていることに正面から向き合っています。

物語のなかで主人公アイリーは、何度も壁にぶつかりながら、相手を知り、関係性を築き、少しずつアラインメントを形にしていきます。フィクションでありながら、その描写はかなり現実的で、プロダクトに関わる仕事の複雑さや手触りがよく伝わってきます。理論やツールだけではつかみにくい「実際にどう動けばよいか」を具体的なシーンを通じて考えるきっかけになるはずです(本書のシーンに実際に遭遇している人が多々いるのではないかと思います)。

本書に登場するツールやフレームワークは、組織図をどう読み解くか、信頼をどう築くか、会話のタイミングをどう計るか、そしてどう「難しい人」と付き合うかなど、すぐに現場で使えるものばかりです。自分たちの置かれている状況をふまえて、試してみるとよいでしょう。

プロダクトは、一人ではつくれません。周囲の人たちを理解し、巻き込み、対話を重ねながら進めていくことで、初めて価値が届けられます。

本書が、みなさまのお役に立てば幸いです。

謝辞

粟田 恭介さん、飯田 意己さん、太田 陽祐さん、小笠原 晋也さん、小澤 暖さん、粕谷 大輔さん、小糸 悠平さん、斎藤 紀彦さん、菅原 円さん、田口 昌宏さん、中原 慶さん、萩田 篤さん、古橋 明久さん、森 一樹さん、山田 悦朗さんには長期間にわたり翻訳レビューにご協力いただきました。

みなさんのおかげで読みやすい書籍になったと思います。

企画、編集は、オライリー・ジャパンの高恵子さんが担当されました。いつも手厚い支援をいただいていることに感謝いたします。

訳者を代表して
2026年 3月
吉羽 龍太郎

目次もあわせてご紹介します!

  • はじめに
  • 第1章 組織
    • 1.1 アイリー、初日を迎える
    • 1.2 アイリー、誰がパワープレイヤーかを見極める
    • 1.3 アイリー、意思決定を学ぶ
    • 1.4 アイリー、意思決定権を定める
  • 第2章 人
    • 2.1 アイリー、ステークホルダーと話す
    • 2.2 アイリー、意思決定スタイルを追加する
    • 2.3 アイリー、忙しいステークホルダーにアプローチする
  • 第3章 ラポール
    • 3.1 アイリー、もっと親しみやすくなろうとする
    • 3.2 アイリー、リストにリスペクトを加える
    • 3.3 アイリー、スパークスの視点に立とうとする
    • 3.4 アイリー、脆さを引き出す
  • 第4章 信頼
    • 4.1 アイリー、専門性を示そうとする
    • 4.2 アイリー、調査する
    • 4.3 アイリー、当事者意識を示す
    • 4.4 アイリー、信頼性を語る
  • 第5章 ロードマップ
    • 5.1 アイリー、組織目標を探る
    • 5.2 アイリー、うわべのアラインメントを見つける
    • 5.3 アイリー、プロダクト目標のすり合わせを行う
    • 5.4 アイリー、プロダクトロードマップを共同開発する
  • 第6章 変化
    • 6.1 アイリー、気が散る要因を減らす
    • 6.2 アイリー、ロードマップを更新する
    • 6.3 アイリー、ロードマップの運用ルールを作る
    • 6.4 アイリー、さらなる依頼を受ける
  • 第7章 挑戦
    • 7.1 アイリー、スパークスとの関係性をレビューする
    • 7.2 アイリー、退職を考える
    • 7.3 アイリー、Helthexをテストする
  • 第8章 エピローグ

それでは。

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