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ryuzeeによるブログ記事。不定期更新

【資料公開】数字を使う技術

みなさんこんにちは。@ryuzeeです。
8月26日(水)〜28日(金)に、ぼくがメイン講師を務めるScrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)研修をオンラインで開催します。チームに興味がありそうな方がいたらぜひご紹介ください。詳しくはこちらです。

プロダクト開発をしていると、色んな数字とつきあうことになります。売上、利益、契約件数、MAU、稼働率、生産性、ベロシティ、バグ件数、バグ密度、コミット数、OKR……。まあ、数字があると状況を説明しやすい(気がする)し、比較もできる(気がする)し、なんとなく客観的に見える(気がする)ので使いたくなる気持ちはよくわかります。マネージャーなんかが「定量的」と連呼するのもよくある話です(個人的には、過度に「定量的」を求めるマネージャーは、仕事ができないのではないかと思いますが……)。

ただ、数字を使えばなんでもうまくいくかというと、当然そんなことはありません。むしろ数字のせいで問題が起きることもあります。ベロシティを上げろと言ったらストーリーポイントが膨らんだとか、バグ件数を減らせと言ったら「これは仕様です」が横行してバグが起票されなくなったとか、そういう話はいくらでもあります。数字そのものは間違っていなくても、使い方を間違えると人間の行動がおかしくなるわけです。

じゃあ数字を使うのをやめればいいのかというと、それも無理な相談です。数字なしで経営したり、プロダクト開発したり、人を評価したりするのも現実的ではありません。ということで今回は、数字がなぜおかしくなるのか、それでも数字を使うなら何に気をつければいいのか、という話を整理しています。

余談ですが、このスライドは技術顧問先で月に1回行っている社内セッションの資料です。技術顧問に興味のある方はお気軽にご相談ください。

参考になれば幸いです。


忙しい人向けのサマリー

  • 数字は客観的に見えるが、使い方を間違えると人の行動を歪める
  • 指標を目標にすると、本来の目的より数字そのものが最適化されやすくなる
  • グッドハートの法則:指標が制御や目標の対象になると、それまで成り立っていた関係が崩れやすい
  • キャンベルの法則:指標を評価や意思決定に強く使うほど、指標だけでなく行動やプロセスまで歪みやすい
  • 数字がおかしくなるのに、悪意は必要ない
  • 制度の中で合理的に振る舞った結果として、ゲーミングが起こることがある
  • 数字と評価・報酬の距離が近いほど、ゲーミングの圧力は強くなる
  • 原則1:数字より目的を先に置く
    • 何のために測るのかを決めてから、指標を選ぶ
  • 原則2:数字は必ず対にする
    • 速度には品質、量には質のように、しわ寄せが出る側も合わせて見る
  • 原則3:先行指標と遅行指標を区別する
    • 先行指標は動かしやすいが壊れやすく、遅行指標は確かだが結果が出るまで時間がかかる
  • 原則4:改善用と評価用を混ぜない
    • 改善のために使っている数字を、そのまま人事評価や報酬に流用しない
  • 原則5:指標に寿命を設定する
    • 目的とのズレやゲーミングの兆候が出た指標は、見直すか捨てる
  • 原則6:定量は定性で三角測量する
    • 数字だけで結論を出さず、背景や理由を確認してから判断する
  • OKR、人事評価、経営報告、スクラムでも、数字の用途を間違えると簡単に壊れる
  • 生成AIによって、コード量やコミット数のような活動量の指標はさらに意味がなくなりつつある
  • 指標を増やすより、少ない指標を用途を明確にして使う
  • 数字は成績表として使うより、状況を理解して次の行動を考えるために使う方がよい

内容に関するご意見やフィードバックは、Xの@ryuzeeまでお知らせください

それでは。

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