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年末年始やお盆などの長期休暇がある場合はスプリントを長くしてもよいですか?
スクラムガイドでは、「スプリントの期間は固定である」「スプリントが終了したら速やかに次のスプリントに入る」としており、年末年始やお盆などの長期休暇に関する記述はありません。すべてのイレギュラーケースを想定するのは不可能なので記述がなくて当然なので、スクラムやアジャイルの原理原則を踏まえて対応を考えます。
スクラムではプロダクトの検査と適応によってリスクを制御するため、スプリントレビューがとても重要です。 これはスクラムチーム外のステークホルダーとの重要な接点であり、開催のリズムを一定にすることで、ステークホルダーとの調整を減らし、確実に参加してもらえるようにします。 たとえば、普段2週間スプリントを採用していて、長期休暇のときは3週間スプリントにしたとすると、いままで確保していた隔週のスケジュールがずれてしまい、今後のスプリントレビューの参加に支障をきたす、といったことも起こります。日数を確保するために別の曜日にするのはさらに支障が大きいでしょう。 すなわち、まずはステークホルダーから予測可能なタイミングでスプリントレビューが行われるようにするのが優先であり、スケジュールを変化させないほうが安全です。
また、長期休暇の時期になると、スクラムチームやステークホルダーの一部が不在になりがちです(追加で休暇を取得したり、休暇の時期をずらしたりします)。 そうなると、チームのクロスファンクショナルの度合いによってはスプリントの作業が円滑に進まなかったり、スプリントレビューに出席してほしいステークホルダーが不在になったりします。
以上を踏まえて対応を検討しましょう。 お勧めは、ステークホルダーが不在でも問題がないこと、たとえばリファクタリングやテストの追加、ライブラリのバージョンアップ、調査や検証など、時間があればやりたいと思っていたことに着手することです(そもそもスプリントを始めないという選択をすることもあります)。 休暇明けからすぐに通常のスケジュールで始められることを前提とし、無理に複数のスプリントをつなげて複雑化するのはやめておきましょう。
カテゴリ
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
- 著者/訳者:西村 直人、 永瀬 美穂、 吉羽 龍太郎
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2020-05-20
- 単行本(ソフトカバー):288ページ
- ISBN-13:9784798163680
- ASIN:4798163686