FAQ一覧
研修参加やツール習熟などのチームの学習活動をプロダクトバックログアイテムにしてよいですか?
はい。プロダクトの価値を高めるために必要であれば、学習活動もプロダクトバックログアイテムにして構いません。
スクラムガイド2020には次のように書かれています。
スクラムチームは、ステークホルダーとのコラボレーション、検証、保守、運用、実験、研究開発など、プロダクトに関して必要となり得るすべての活動に責任を持つ。
つまり、インクリメントの実現に直接つながる作業だけがプロダクトバックログアイテム化の対象というわけではありません。 必要なら、ツールの習熟、研修参加、技術調査(スパイク)といった学習活動もプロダクトバックログアイテムにします。
プロダクトバックログには「顧客にとって価値のあるものしか入れられない」と勘違いしているチームを見かけることもありますが、そんなことはありません。「顧客にとって」だけでなく「自社にとって」「スクラムチームにとって」など 「誰にとってどんな価値があるのか」を説明できればよい と考えてください(プロダクトゴールの達成にどう関係あるかを説明できるとなおよいでしょう)。
なお、プロダクトバックログアイテムの並び順の最終決定権限はプロダクトオーナーにあります。 チームとしてその学習に取り組むのがなぜ重要なのか、なぜ今なのかをプロダクトオーナーに理解してもらいましょう。
プロダクトの状況によっては短期的には後回しにする、という判断をプロダクトオーナーがする可能性はあります。 しかし、常に後回しにしているとチームのパフォーマンスは向上せず、馬車馬のように働くだけでモチベーションも低下し、結果的にはプロダクトに害を及ぼします。その点を踏まえて実施のタイミングを決めることをお勧めします。
チームが持続的に成果を上げられるようにするのが重要という点を鑑みると、毎スプリント20%くらいの時間は学習に使えるようにするといいかもしれません。
カテゴリ
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
- 著者/訳者:西村 直人、 永瀬 美穂、 吉羽 龍太郎
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2020-05-20
- 単行本(ソフトカバー):288ページ
- ISBN-13:9784798163680
- ASIN:4798163686