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プロダクトオーナーが責任を果たしていないように見えるのですが、どうサポートすればよいですか?
「プロダクトオーナーが責任を果たせていないように見える」という相談はよくあります(トップ10には入るくらい頻出かもしれません)。
たとえば、
- 開発者の提案をそのまま受け入れていて、当事者意識が低いように感じる
- ステークホルダーの声に振り回され、スプリント中に何を優先するかが頻繁に変わる
といった状況です。
このようなとき、スクラムマスターがまず注意すべきなのは、 「責任を果たせていないプロダクトオーナー」というのは、あくまで自分の解釈(意見)であるという点です。 意見と事実を同一に扱ってはいけません。 まずはその解釈のもとになっている事実と、その結果チームにどんな問題が起きているのかを明らかにしてください。
たとえば、
- スプリントレビュー直前にプロダクトオーナーからNGが出て、インクリメントが完成しない
- 途中でプロダクトゴールやスプリントゴールが膨らんで、開発者が何を優先すべきかわからなくなっている
- 頻繁な変更のせいで、チームの予測可能性が下がっている
といったように、スクラムチームの誰から見ても確認できる具体的な問題を言語化します(上記の例も、さらに深堀りして具体的な事実を列挙できるはずです)。
スクラムマスターがやるべきことは、「プロダクトオーナーが責任を果たしていない」と指摘することではありません(指摘してもいいんですが)。 スプリントレトロスペクティブなどの場で、スクラムチームがこうした具体的な問題をチームの話題として取り上げて、なぜそれが起きているのかを考えられるように仕向けるのがスクラムマスターとしてやるべきことです。
また、スクラムマスターが「問題だ」と感じていることが、必ずしもチームにとって問題ではないこともあります。 そのため、いきなり評価したり決めつけたりするのではなく、チームと共有できる事実としての問題に焦点を当てることが重要です。
なお、「具体的な事例を扱うと、その場しのぎの改善で、もぐらたたきになるのではないか」と思うかもしれませんが、多くの問題の根底には共通の問題があります。また、すべての問題を一度に解決するのは無理なので、「スクラムチームのパフォーマンスを改善するうえでもっとも効果がありそうなことを明らかにし、それにはなるべく早く着手する」というのがスクラムの考えです。一つの具体的な問題を解決できない人たちが、抽象度の高い大きな問題を解決できるはずがありません。
具体的な問題と事実から出発して、検査と適応を繰り返してください。
カテゴリ
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
- 著者/訳者:西村 直人、 永瀬 美穂、 吉羽 龍太郎
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2020-05-20
- 単行本(ソフトカバー):288ページ
- ISBN-13:9784798163680
- ASIN:4798163686





















