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Q. 着手したもののスプリント中に完成しなかったプロダクトバックログアイテムはどう扱えばいいですか?
プロダクトバックログアイテムがスプリント中に完成しない、というのはそれなりによくあることです。 完成しなかった理由としては、以下のようなものがあるでしょう。
- 単純に時間が足りなかった
- 完成の定義を満たしていなかった
- プロダクトオーナーと合意した受け入れ基準(スクラム外のプラクティス)を満たしていなかった
- 当該プロダクトバックログアイテムは完成したが、ほかの既存部分を壊してしまった
これ以外にもさまざまな理由があるでしょうが、いずれの場合でも以下のように対応します。
- 部分的な成果として扱うことはしない(たとえば、ストーリーポイントの一部をベロシティに計上するようなことはしません。完成していないので無意味です)
- プロダクトバックログアイテムを再見積りして、プロダクトバックログに戻す
- プロダクトオーナーは必要に応じて、当該プロダクトバックログアイテムの順番を決める
完成しなかったプロダクトバックログアイテムを自動的に次のスプリントに持ち越してしまうと、数珠つなぎになってしまい、変化に対応できなくなります。 また、スクラムチーム自身が「今回のスプリントで完成しなくても、次のスプリントで完成するからいいや」と考えてしまい、規律も乱れていきます。 プロダクトオーナーの立場に立つと、現在のプロダクトやビジネスの状況を踏まえて、柔軟に順番を変えて対応できるようになっている必要があります。 また、ある一定時間投資しても完成しない場合は、「割に合わないのでもう当該のプロダクトバックログアイテムの実現自体を止める」といった選択肢を持てるようになっていなければいけません。 再度順番をつけ直すのはそのためです。 もちろん、重要なものなので、次のスプリントで引き続き取り組む、という選択をする場合もあります。
毎回完成しないプロダクトバックログアイテムが複数あるような状況は、スクラムチームが問題を抱えていることを示しています。 スプリントレトロスペクティブなどを活用して、問題を明らかにして改善していってください。
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SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
- 著者/訳者:西村 直人、 永瀬 美穂、 吉羽 龍太郎
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2020-05-20
- 単行本(ソフトカバー):288ページ
- ISBN-13:9784798163680
- ASIN:4798163686