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1人のスクラムマスターが複数のスクラムチームを兼任できますか?
可能ですが、いきなりはおすすめしません。 特にスクラムをこれから始めるチームや、導入初期の組織では、まずは、1人のスクラムマスターが1つのスクラムチームに専任するところから始めてください。
スクラムガイドには「スクラムマスターは何チームまで担当できる」といった具体的な上限は書かれていません。 そのため、1人のスクラムマスターが複数のスクラムチームに関わるケース自体は存在します。 しかし、スクラムガイドは意図的に不完全であり、すべてのケースを網羅的に書いているわけではないことを踏まえて、価値観や原則から検討する必要があります。
なぜ最初は1チームに集中すべきなのか
スクラムの価値基準のひとつに、集中があります。 まだ効果が出ているかどうかも分からない段階で、スクラムマスター自身の集中を分散させてしまうのは、この価値基準に反しています。
スクラムを始めたばかりのチームでは、イベントの進め方、責任に対する理解、チームの関係性づくり、プロダクトバックログやインクリメントの作り方などで、スクラムマスターの強い関与(ティーチング、コーチング、観察、障害の除去への働きかけ)が必要になります。
にもかかわらず、最初から複数チームを兼任していると、必要な関与が不足したり、チームの観察が不十分になったりして、チームの問題を見過ごし、結果的に、チームの有効性を確立するまでに長い時間を要する結果になります。 これはスクラムマスターとしての責任を果たしていません。
まずは1チームが有効に機能するようにすることに全力を尽くしてください。
2チームめに取り組むなら「実験」として
1チームのスクラムマスターとして、十分に責任を果たしていることが確認でき、それでも時間に余裕があるのであれば、2チームめに取り組むこと自体を否定するものではありません。
ただし、その場合は必ず実験として扱う必要があります。
本当にうまくいっているのか、観察や関与が不足していないか、チームや組織への影響はどうかを振り返り、うまくいかないようであれば別のやり方を検討してください。
2チームめの前にやるべきことがあるかどうかを検査する
スクラムチームがうまく機能していたとしても、スクラムチームの外側に、社内プロセス、評価制度、意思決定の流れ、他のチームや組織との関係性など、改善すべき組織的な問題があることが普通です。
こうした組織システムそのものに働きかけることで、スクラムチームがより有効に機能する可能性があります。
スクラムガイド2020で、スプリントレトロスペクティブの箇所に「スクラムチームは、自分たちの効果を改善するために最も役立つ変更を特定する。最も影響の大きな改善は、できるだけ早く対処する」という記述があります。
これがスクラムにおける改善の本質だとすれば、組織への働きかけを後回しにする理由はありません。
2チームめの前にやるべきことがないかどうか、よく検査してください。
カテゴリ
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
- 著者/訳者:西村 直人、 永瀬 美穂、 吉羽 龍太郎
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2020-05-20
- 単行本(ソフトカバー):288ページ
- ISBN-13:9784798163680
- ASIN:4798163686





















